電磁波って何? 電磁波の単位?
電磁波は、「電」「磁」「波」の複合語で、電気の影響が及ぶ範囲の電界(電場)と磁気の影響が及ぶ範囲の磁界(磁場)が相互に組み合わさって作用しながら、空間を流れる「波」のことです。
電磁波は、「低周波」と「高周波」分類され、各々特性が異なります。
主に低周波は送電線、家電やパソコン等、高周波は携帯基地局、携帯電話/スマホやWifi等から発生します。
電磁波は周波数で表示し、周波数の低いもの(波長の長いもの)から順に、「電磁界」、「電波」、「光線」、「放射線」に分類されます。周波数が極端に低い電磁波(例:商用周波数50Hz/60Hz)は、波としての性質が失われ、「電磁界」と呼ばれています。また周波数によって、「電波」は9種類の電磁波、「光線」は3種類の電磁波、「放射線」は2種類の電磁波に分けられます。
当社の取り扱う電磁波はドイツ建築生物学(バウビオロギー)協会電磁波予防ガイドライン(SBM2008)に準拠して、下記の2種類に分類されます。
低周波交流電磁波(5Hz~40万Hz)
・電磁界-超低周波
・電波の一部-超長波
└長波
高周波電磁波(27MHz~10GHz)
・電波の一部-超短波
└マイクロ波-極超短波

低周波交流電磁波

主に、送電線や電化製品など電気から発生する電磁波を低周波交流電磁波と言います。低周波交流電磁波は電界(場)と磁界(場)の2種類です。

低周波交流電界(場)とは?
電化製品を使用していなくても、電化製品の電気コードがコンセントに刺さっているだけで、電圧がかかっている為、「電界」は発生します。コンセントから抜くと「電界」は発生しません。発生源から距離を取ると、激減します。
低周波交流磁界(場)とは?
電化製品を使用すると、電気が流れます。この時に「磁界」が発生、次に「電界」が発生、交互に「磁界」、「電界」と発生します。高圧送電線、電化製品使用時など、電気が流れる時のみ電気から発生します。「磁界」は、電流の大きさに比例して発生し、ほとんどの物質を透過します。距離を離れると急激に減衰します。また、簡単に低周波電磁波測定器で電界と磁界の強度を計測できます。
低周波電磁波は、弊社販売ME3830Bなどの低周波測定器で簡単に計測できます。
高周波電磁波

高周波電磁波は、スマホ、wifi、携帯電話やテレビ放送のような通信・放送への利用、レーダーやGPSのような測位・遠隔測定への利用、電子レンジのようなエネルギー利用にも使われています。
また、「電波」、「マイクロ波」とも呼ばれています。
身近なものだと、電子レンジ、スマホ/携帯電話、携帯電話基地局、地上デジタル放送局、デジタルコードレス電話器、無線LAN、wifi、ETCなどから放射されている電磁波です。
低周波交流電磁波と比較して、高周波電磁波は性質や特性が大きく異なります。
高周波電磁波は、直進性が強い性質を持っているため、特定の方向に向けて発射する場合に適しています。また、電磁波強度は瞬時に変動し正確な測定には弊社販売ギガヘルツソリューションズ社の対数周期型アンテナ付高周波電磁波測定器をおすすめします。
WiFiや携帯電話(4G/5G)などの電波の強さの測定に、HFW35CとHF35Cの組み合わせをおすすめします。HF38Bは700MHzから2.7GHzまでの周波数帯をカバーし、HFW35Cは2.4GHzから6GHzまでをカバーします。


電磁波の単位

電磁波の単位は、電磁波の種類(低周波か高周波か)により違います。周波数の違いにより電磁波の特性や特徴が異なり、ひとつの単位で表示することができません。
どの単位で表示するかにより、数値は大きくもなり、また小さくもなります。電磁波の単位には注意が必要です。
低周波電界(場)の単位
電界(場)の強さを表す単位は「キロボルト/メートル(kV/m)」や「ボルト/メートル(V/m)」を用います。
1kV/m=1000V/m=10V/cm
低周波磁界(場)の単位
ガウス(G)というのは磁束密度の国際単位で、1平方センチメートルあたりの磁力線の数値を指します。1997年に磁束密度の国際単位はガウスからテスラ(T)に変更されました。しかし、今でも磁界の単位はガウス(G)またはテスラ(T)で表示されています。
1G(ガウス)=0.1mT(ミリテスラ)=100μT(マイクロテスラ)
10,000G(ガウス)=1T(テスラ)
10mG(ミリガウス)=1μT(マイクロテスラ)
1mG(ミリガウス)=100nT(ナノテスラ)
高周波電磁波の単位
高周波電磁波の単位は、非常に高い周波数の為、低周波のように電界と磁界とに分けて表示することができません。そのため電力密度というエネルギー量の単位(μW/㎡等)で表示します。電力密度は、電磁波の伝わる方向に対して垂直な単位断面積当たりの通過電力の事です。単位は「ミリワット/平方メートル(mW/㎡)」、「マイクロワット/平方メートル(μW/㎡)」、や「マイクロワット/平方センチメートル( μW/c㎡)」などを用います。またmV/mの単位も使用されます。
1μW/㎡=0.0001μW/c㎡
1000μW/㎡=1mW/㎡=0.1μW/c㎡
1000mW/㎡=1W/㎡=100μW/c㎡

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